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夜明け前のバルコニー
そこから見える景色は ほんの少しだけわたしを不思議な気持ちにさせる。 多くの人が目覚めていない時間。 夜中働いていた人と朝が早い人だけが この薄暗い街の主人公となる。 一日がやっと終わった人と 一日がこれから始まる人が ひと組みまたひと組みとすれ違ったり...
2021年5月10日


赤いワインと2粒のチョコ
『もっと大人っぽくなりたい』と そんな思いで衝動的に車を走らせた20歳の青年は 今バーカウンターに座っている。 店内には心地よいジャズが丁度よい音量で流れ ダンディなバーテンダーが一つ一つ丁寧に グラスを拭いていた。 ネットで見た“落ち着いて飲める店の特徴”が...
2021年3月8日


炎に包まれた思い
『私が発した言葉は元々は小さな小さな火種だった。 自分に宛てたつもりのただの独り言は 誰かの何かに触れてしまって 気づけば私は炎に包まれていた。 はじめましての人からも 紙クズやささくれた木の棒が次々に投げ込まれ 火の勢いはますます強まっていった。...
2021年2月15日


無知は無敵
小さいころ色んな人から教えられてきた。 「知識はな お前を助ける武器になるんだ。 知っていれば得をして知らなければ損をする。 世の中そういうふうにできているんだ!」という親。 当てられて答えられない生徒は笑われ 正解を導いた生徒は褒められる授業風景。...
2021年2月8日


ババ抜き
ババ抜きって面白い。 なぜならババを最後まで持っていた人が負けになるゲームなのに 最後まで持っている人が主人公のゲームだから。 一度も自分の手札に入ること無く勝ち上がった時 なんとなく物足りなさを感じる。 ババを引かないことが強さなのに...
2021年2月2日


愛着は憎らしさの裏に
『何を取ろうか?何なら取れるか?』 思考と一緒にゲームセンターをぐるぐる一回り。 目ぼしいものは特にはないけれど ケースの中でちょこんと可愛らしく座っている 名前のわからないネコのぬいぐるみと目が合った。 『どこを狙うと取りやすくなるだろう・・・』。...
2021年1月25日


ハート細胞
耳と心は本当に似ている。 人の顔を描いた時 両耳をくっつけるとハートの形になる。 …というのは冗談で 年齢を重ねていくと 次第に高周波の音(モスキート音)が 聞こえにくくなるという。 耳の構造は驚くほど繊細で 有毛細胞と呼ばれるモノが 高い音を拾う上で重要らしいのだが...
2021年1月18日


誰だって四重人格
誰しも心には4つの人格を抱えていると言われる。 1人目は“開放の自分”。 自分自身はもちろんのこと 周りの人も知っている自分のことを指す。 性別や髪の長さといった 傍から見て分かる外側の情報だけでなく 自己紹介で伝えた自分自身の特徴や 聞いてほしくて自ら話した内容も...
2020年12月28日


白黒の世界
僕は白と黒のボーダーラインに立っている。 そのラインから右側を見てみると 人生を真っ暗にしてしまう悩みの種が埋まっている。 身勝手な犯罪や誰を責めていいかわからない天災。 蓋を開ければホコリだらけのクリーンな顔した政治家。 自分とは全く関係のない人を叩くことで...
2020年12月9日


システマチックブレイン
『目が覚めて少しぼーっとした後 仕事に行くための身支度を行う。 職場での要領は一向に上がらないものの 家を出るまでの効率は 面倒くささに比例してどんどん良くなっている。 モチベーションという言葉を意識していた頃が 懐かしくなるほど鏡の前の自分からは 覇気が感じられない。...
2020年11月30日
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