優しさを運ぶボール


上司がこう言う。


「最近よく頑張ってくれているね!」と。


僕はこう思う。


『最近?ということはこれまでは


全然評価されていなかったんだ』と。


友だちがこう言う。


「お前って誰とでも仲良くなれるよな!」と。


僕はこう思う。


『広く浅い関係しか築けないって言いたいんだろ?』と。


恋人がこう言う。


「〇〇君って何でもできてすごいね!」と。


僕はこう思う。


『取り立ててすごい所がないだけだよ』と。


そんな僕にどこかの誰かがこう尋ねる。


「そんな皮肉な捉え方をして何かメリットはあるの?」と。


僕はこう答える。


「バカ正直に受け止めて後で傷つかない為だよ。


世の中には本音と建前というものがあるんだ!」と。


続けて僕はこう付け加える。


「会話ってキャッチボールに例えられるだろ?


『まっすぐ投げるよ!』って言われた挙げ句


すごい低めに投げられたらキャッチなんて出来やしない。


はるか後ろに転がっていくボールを


みじめに拾いにいくことになるんだ」と。


すると正体のわからない声がこう返す。


「たしかに君は何度か酷いボールを投げられたことがある。


でもその何度かのために


まっすぐなボールまでわざわざそんな辛い姿勢で


受け止めようとしなくていいんじゃないかな」と。


僕はこう言い返す。


「じゃあどれだけ頑張っても取れない


ボールを投げられたらどうすればいいんだよ!!


もう何度もボールを一人で拾いに行くのは嫌なんだよ!!」と。


するとその謎の声は一段と優しい口調でこう言う。


「最初からキャッチボールをするつもりがない人の


ボールなんてキャッチしなくていいんだよ。


たとえまっすぐに飛んで来たって


早くて固くて冷たいボールなら避けてしまったっていい。


反対に多少捕りづらくても


ゆっくりで柔らかくて温かいボールなら


君は飛びついて捕ることができる」と。


そしてその言葉に何も言い返せない僕を


優しく見つめてこう続ける。


「それにもし君と本気でキャッチボールを続けたい人は


君が後ろに逸らしてしまったボールを


君と一緒に追いかけてくれるはずだよ」と。


最後に投げられた一球は


まっすぐ立つ僕のグローブに優しく収まった。

 

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