top of page

努力の対象

こんにちは、心理カウンセラーの乾です。

自粛期間が長引くにつれて、世の中がどんどんピリピリしていっていますね。


他県ナンバーの車に石を投げたり、ホームレスに危害を加えたり、感染した人に嫌がらせの電話を掛けるなど、読んでいて心が苦しくなるニュースが増えています(;´Д`)💦


自分の感染リスクを懸念してのことなのか、やり場のないストレスをそこにぶつけているのか、あるいは正義感や使命感からの行動なのか・・・、理由は分かりません。

窮屈な世の中で誰もがしんどい思いを抱えていることだけは確かでしょう。


ただ、こんな時だからこそ改めて考えてみて欲しいことがあります。



自分の人生に希望が持てる選択はなにか?



・あの人がいけない・・・。

・この環境のせいで自分は・・・。

・自分だけが苦労している・・・。

・過去にあんなことがあったから・・・。

・この苦しみを理解できない周りが悪い・・・。


そう毎日のように思い、苦しい気持ちを抱いている人は自問自答してみてください。


『その考えはわたしを楽にしてくれていますか?』

『その考えはわたしに希望を与えてくれていますか?』


いかがでしょうか?

おそらくほとんどの方は「いいえ」になったと思います。


その理由はとてもシンプルで、

「自分の力の及びにくいものに固執しているから」なんです。

上であげた5つの思考は“自分の将来の為に、他者や環境を変える為に自分に何が出来るか?”ということを突き詰めようとする考え方になります。


上の5つの思考にそれぞれ補足を入れる以下のようになります。

あの人がいけない・・・から、あの人が変わるのが当然だ!

この環境のせいで自分は・・・力を発揮できない。つまり環境が悪い!

自分だけが苦労している・・・から、苦労すべきは周囲の人間だ!

過去にあんなことがあったから・・・前に進めないのは自分のせいじゃない!

この苦しみを理解できない周りが悪い・・・。周りの理解力が足りない!


このように、先をちゃんと記してみると、他者や環境への意識が強いことがハッキリと見えてきます。


どんな職場にも自分が苦手に感じる人が1人や2人はいることでしょう。

そんな苦手に感じる人がいる職場を、自分が少しでも働きやすい職場にする方法は大きく分けると2つしかありません。


相手を変える or 自分を変える


です。


「相手を変える」とは、先ほどの例で言えば、自分が相手に対して苦手に感じる部分(ex気分によって態度が変わる性格)を直してもらったり、違う部署や職場に移ってもらう等を指します。

これができたとしたら、自分としてはとても楽ですし助かりますよね。


ただ相手が断固として「変わらない」ことを選択した場合はどうなるでしょうか?

どれほど『変わってほしい』と願ったとしても相手は変わりませんし、無理やり変えることは難しいでしょう。

さらに、その人が仕事に対して真面目であれば、上司づてで変えてもらうように頼むことすら難しいと思います。


また、仮に無理やり相手を変えることが出来たとしても、その後の関係はどうなるでしょうか?

その人とだけ気まずくなるのであればまだ良いですが、周りの人がそのこと(無理やり変えさせたこと)をどう見るかは・・・・周りの人次第です。


つまりは、相当なエネルギーを使って変えることに成功したとしても、それが自分の働きやすい職場づくりに繋がらないことも多いのです。




さて、ここまで読んだ方の中には


『相手を変える為には、自分が変わるしかないって言いたいんでしょ!』


と半ば投げやりな気持ちを抱いている方もいるかもしれません。



結論から言えばその通りです!が、

実は多くの人が頭では理解していながら、無意識に「自分を変える」という選択肢を排除してしまっているんです。

事実、相談に来られている方の多くが“職場の人間関係”についての悩みを話しますが、その

選択肢はなぜか



相手を変える or 諦める



の2択になっています。


私たちは努力を証明したい時、また努力したことを感じたい時【他者にどれくらい働きかけたか?】ということで示すことが多々あります。


言い換えると、「周りにどれくらいアピールできたか」ということを意識します。

これはすごく自然なことで、小さい子が何かにチャレンジするとき、親に

「ねえ、今からやるからちゃんと見ててね!」

と自分の頑張りをアピールするのと同じ理屈なんです。


自分が努力していることを誰かに見ていて欲しいし、

その努力をちゃんと認めて欲しい  のです。



しかし、この例と職場の人間関係の例とは根本的に違う点があります。


それは


努力の対象


です。


小さい子の例では、

“他者に、変化していく自己を認めてもらう”といったように、努力の対象が自分に対して向いているのに対し、


職場の人間関係の例では、

“他者に、現在の自己の評価を変えてもらう”といったように、努力の対象は相手に対して向いていることが多いのです。



しかし現在の自分の評価を変えてもらったとしても、一時的にしか満たされず、すぐに同じことに不満を感じたり、同じことにつまづくことになります。

なぜなら、変化したのは他者であり自分自身ではないからです。

つまりは自分の成長により問題をクリアしたわけではないということ!



自分がした努力と同等かそれ以上を相手に求めるということは、『相手も努力すべき!』という“つり合いをとろうという心理”が働いているわけなのですが、この心理はすごくまっとうなように見えて、実は当初の目的を完全に見失っています!

お気づきでしょうか?


本来の目的は、

『自分が今よりも少しでも生きやすくなること(生きづらさを少しでも手放せること)』

であって、

『相手からの評価をもらうこと』でも『相手が自分と同じくらい苦労すること』でもないはずなのです。



他者からの評価をもらうことがいけない訳ではなく、自分の人生をよりよくする為に行う努力の対象を“他者に設定しない”ことが大切なのです。

自分を変えるための努力の仕方を模索し、その結果もらえた他者からの評価を大事にすればいいのです。



苦しい思いをしている事、そしてその苦悩から抜け出すために努力していることは、紛れもない事実です!

それは、そのまま素直に認めてあげてください。


その上で、周りの評価・顔色やリアクションを基準に自分のエネルギーを注いでいないか?”(=頑張り方を間違えてはいないか?)ということを改めて考えてみましょう。



あなたを変えられるのは、誰でもないあなただけです。

周りからの影響を受けることはあったとしても、変わるかどうかの最終決定者はあなた自身です。



ここまで読めば、“自分自身が変わる”ことへの第一歩は歩みだせています!

他県ナンバーの車に石を投げれば、その車の運転手はもうその県に来ないかもしれませんが、投げた本人の心の成長はそこにはありません。


『相手を無理やり変えさせることには何の意味もない』


最後にもう一度伝えて、今回のブログは終わりにさせて頂きます!(*^^*)✨

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ブログを読んで疑問に思ったことや感想などありましたら

下にコメントをいただけると嬉しいです。

では、また次のブログでお会いしましょう(^^)ノシ

Kommentare


bottom of page