そこから見える景色は
ほんの少しだけわたしを不思議な気持ちにさせる。
多くの人が目覚めていない時間。
夜中働いていた人と朝が早い人だけが
この薄暗い街の主人公となる。
一日がやっと終わった人と
一日がこれから始まる人が
ひと組みまたひと組みとすれ違ったり
追い抜いたり追い抜かれたり
軽い挨拶を交わしたりする様子を
意味もなくただただゆっくりと眺めていた。
夕べのにわか雨のにおいが
まだかすかに残っていることも
この雰囲気とそして今のわたしの気持ちに
とてもよくマッチしている。
できることならずっと眺めていたいと
そう思わせるほど
わたしはこの色のない景色に惚れているようだ。
『話したら共感してくれる人はどの位いるだろう?』
戻った部屋でそんなことを考えている内に
多くの役者に出番が回ってきて
彼らはまた舞台裏へと姿を隠した。
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#癒し #気づき #人生を考える1ページ #夜明け前のバルコニー
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