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愛着は憎らしさの裏に


『何を取ろうか?何なら取れるか?』


思考と一緒にゲームセンターをぐるぐる一回り。


目ぼしいものは特にはないけれど


ケースの中でちょこんと可愛らしく座っている


名前のわからないネコのぬいぐるみと目が合った。


『どこを狙うと取りやすくなるだろう・・・』。


20秒ほど眺めた後小さな合図を自分に出した。


「よしっ!」。


しかし結果は散々だった。


1回目は持ち上がりはしたものの出口手前で


その猫はアームからずり落ちた。


2回目はアームの爪が出口に引っかかってしまい


ただ100円を寄付しただけだった。


3回目はアームが急にやる気を失くしたのか


その猫を持ち上げられずに終わった。


4回目5回目もアームでその猫をつついたり


はたまた転がしてみたりと


ただじゃれあって終わってしまった。


自分の技術不足だと分かりつつも


だんだんその猫の顔が憎らしく見えてきて


それと同時に


『ここまで来たら取るしかない!』と


謎の使命感と意地でその猫から離れられなくなっていた。


結局僕は別に欲しくもなかったその1800円の猫を


大事に抱えてゲームセンターを後にした。


『よくもこれだけ粘ってくれたな~。


そんなに僕がご主人になるのが嫌だったのか?


・・・帰ったら名前を付けてやる。どんな名前がいい?』。


気づいた時にはもう愛着が湧いていた。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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では、また次のブログでお会いしましょう(^^)ノシ

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