どうも。心理カウンセラーの乾です。
最近はニュースを、新聞ではなくヤフーやLINEなどで読んでいます。どちらかと言えばアナログ人間なので活字で読みたいところなんですが、、、。
さて、今日はタイトルにある通り少し真面目な話をしたいと思います。
先日LINEニュースを見ていた時に、すごく残念な記事を見つけてしまいました。
見出しは、
【「思春期カウンセラー」を逮捕 中2少女買春容疑 】
内容はというと、『Twitter上で知り合った女子生徒に現金を渡す約束をし、みだらな行為をした』というものでした。
さらに驚くべきは、逮捕されたこの方、中高生らの保護者を対象に『子どもとの接し方』をテーマにした講演会をしていたということ。
中学生というのは、発達心理学でいうところの青年期(12歳~20歳)にあたり、それまで親の考え方や価値観を100%取り入れていた自分から抜け出そうとする時期になります。
『自分は、(親の操り人形ではない)一人の人間なんだ!!』という自己認識。
それはつまり、アイデンティティを確立しようとする、人生の成長において最も重要な時期の一つであると言えます。
それを私たちは「反抗」という形をとって、自分を確立していこうとするわけです。
あれは、一見「親」に反抗しているように見えますが、実は親の考え方や価値観を持つ「自分」に反抗しているのです。
だから、この時期(=思春期)は過度に親を拒むようになります。
親が部屋に入って来ようとすると、なぜだかすごく苛立ちます。
「勉強しろ!」と言われると、なぜだか一気にやる気がなくなります。
「おはよう。」の一言が言いたくなくなり、顔を合わせるのも嫌になります。
これらは全部、『自分が自分である』ということを認識するために必要なことなのです。
なかには、この時期に一切「反抗」せずに、思春期がなかったかのように思われている方もいらっしゃいますが、その多くの人が遅れてやってきた思春期に悩んだり、自我というものを確立できないまま成長していると言われています。
つまり、思春期(反抗期)は人の成長において必要不可欠であり、正しく成長するうえで家族や友人など、周りの人の精神的な支えはすごく大切なのです。
話はだいぶそれてしまいましたが、そんな大切な『思春期』に悩む中高生とその保護者の精神的な支えとなるはずの『思春期カウンセラー』の今回の事件。
相手の女子中学生は、もしかしたら「反抗」のいち手段として今回、援助交際という形をとってしまったのかもしれません。
Twitterで援助を求める旨のつぶやきが、『思春期カウンセラー』の目に留まった上で起きた残念な結末。
実績のある学校で学ばれた心理カウンセラーであれば、ほとんどの方が相手の考えや気持ちを丁寧に汲み取る技術を習得されていますし、またクライエントとの心の距離や関係性についての重要性は深く理解されていることと思います。(最近は、中身はほとんどなくお金さえ出せば資格をとれる学校も増えているようです。)
実際、カウンセリングを通して、カウンセラーがクライエントに、クライエントがカウンセラーに好意を寄せてしまうといったケースは決して珍しくはないようです。
しかし、どちらかが相手に好意を持ってしまった時点で、カウンセリングは上手くいかないと言われています。
ですので、こういうニュースを機に『心理カウンセラーの有るべき姿』というものを改めて考えたいですね。
【☆ここからは僕の個人的な意見になりますので、ご了承の上お読みください。】
ある会社の営業マンAさんが、営業先のお客Bさんと何度も仕事の話や世間話をするうちにお互いが好意を持ち結ばれる、というのは特に問題は無いと思います。
なぜなら、AさんとBさんの関係が『完全に平等』だからです。
(ここでは、Bさんはお得意先で、こことの取引がなくなるとAさんの会社は傾く恐れがある為、AさんはなんとかBさんに取り入ろう、、、、などという細かな設定は無いものとして考えてください。)
一方、カウンセラーとクライエントの関係性というのはとりわけ始めの頃は『完全に平等』とは言えません。
もちろん、僕たちカウンセラーはどのようなクライエントの方とも対等に接しますし、そこに上下は無いと思っています。
しかしながら、悩みを持ち生きづらいと考え心が少し弱っているクライエントの方の目には、優しく丁寧に話を聴くカウンセラーが、自分を救ってくれる人のように映ってしまうわけです。
もうこの時点で『完全に平等』ではないわけです。
その完全には平等でない関係から生まれるものは、ほんの一時的な好意です。
クライエントの方が自分の問題に真剣に向き合い、晴れて自分なりの答えにたどり着き解決できたとき、その健常な状態で本当にカウンセラーに好意を抱いているでしょうか?
一人の人間として好きではあったとしても、男女の好きとは違うのではないかなと思います。
無論、カウンセラー側がクライエントの弱みにつけ込むなどというのはもってのほかです。
やはり僕は、何度カウンセリングに来られてもカウンセラーとクライエントという立場は崩さず、信頼関係はしっかり築いて、『クライエントの問題解決や自立の援助』に努める、ということが心理カウンセラーの有るべき姿なのかなと思いました。
当然、ほかの心理カウンセラーの方の考え方や価値観は違うとは思います。
しかし、今回のようなことは起きてはいけないと思う気持ちは一緒だと思います。
ブログにしては、少々固い話となってしまいましたが、たまにはいいかなと思い話させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
感想などあれば、メールいただけると嬉しいです。
では、また次のブログでお会いしましょう(^^)ノシ