絆創膏と心

前の方から小さな子が一生懸命走ってくる。

手に何かを持ちながら。

その子の歩幅であと5歩くらいのところで

その子が誰だか分かった。

昨日公園で泣いていた女の子だ。

友達とかけっこをしていた時に転んで

膝を擦りむいて泣いていた。

通学路の途中にあるその公園の横を通りかかった私は

鞄に入っていた絆創膏を貼ってあげて

「これで元気になるよ。もう大丈夫!」って

言ってあげたら

「ありがとう。」と言って

また友達と嬉しそうに走っていった。

その子の絆創膏は今

新しいものに貼り直されている。

その子は手に持っていた絆創膏を私に差し出して

「これで元気になるよ。もう大丈夫。」って

言ってきた。

私はよく理解できないままそれを受け取ったが

後から気づいた。

3日前に包丁で切ってしまった指の傷を

昨日絆創膏を貼ってあげた時に見ていたのかもしれない。

『お姉ちゃんも貼れば元気になるのかも』

女の子はそう思ったのかもしれない。

そしてそんな想像をしたら何故か泣けてきた。

理由は分からないけれど

色んな思いが込み上げてきて涙が溢れた。