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水と油

課長と部長がまた言い争っている。

いつも通りのそんな風景をみて

隣の席に座っている同僚が

目線はパソコンに向けたまま

「あの2人またやってるね。

課長と部長ってさ

入社当時からずっと仲悪いんだって。

水と油の関係だよね。」と

そう言ってきた。

「ホントだね~。」

そう言いながらも

どこかそうは思えない私がいた。

『水と油』

決して混じり合わないことの

比喩として用いられる2つだけど

どちらもそれぞれに良さがある。

誰かの目には混じり合うことを

拒否しているかのように見えるかもしれない。

でも私の目には

お互いを尊重し相手の領域に

踏み込まないようにしているようにも見える。

“混じり合えない”のではなく

“混じり合おうとしていない”

そんな感じがする。

相手の性質を理解しているからこそ

相手の中に入っていこうとしない。

自分の性質を理解しているからこそ

自分の中に入れようとはしない。

それが良いことか良くないことかは

正直分からない。

ただ『水と油でもいいんだよ』って

思うことが出来たら

自分が苦手に思っている人にも

今より少しは近づけそうな気がする。

 

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