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劣等生の優越感
友達より成績が劣っている。 同僚より仕事が遅い。 兄弟より出来が悪い。 姉妹よりも気が遣えない。 しかし、そのことを悔む必要は全くない。 なぜなら―― 劣っている者にしか見えない景色が、この世には確かに存在するからだ。 成績が良い人間は、正解へ最短距離で辿り着く。 仕事が早い人間は、迷わず要点を掴む。 出来の良い兄弟や姉妹は、自然と期待され、自然と応える。 それはそれで立派だし、誇るべき才能だろう。 一方で、劣等生はどうか。 間違える。 遠回りをする。 何度も同じところで立ち止まり、「自分はなぜできないのか」を考え続ける。 この“考え続ける時間”こそが、劣等生の財産だ。 劣等生は、最初から世界を信じていない。 「自分はきっと正しい」などという傲慢さを持たない。 だからこそ、疑い、観察し、拾い上げる。 優等生が見落とす小さな違和感。 出来る人が無意識に切り捨てる感情。 「それ、誰のための正解なんだろう?」という問い。 劣等生は、それを拾ってしまう。 ある日、職場でトラブルが起きた。 誰もが「原因はここだ」と即座に断定し、修正案を出す。...
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