目的地を決めるのは?


「人間はナビを見習うべきだー!」


とある男が公園で声高らかにそう叫んだ。


なんだ?なんだ?と2、3人が立ち止まる。


男は続けた。


「ナビは目的地までの最短ルートをはじき出し


仮にその道中で不運に見舞われたとしても


道を誤ってしまったとしても


すぐさま他のルートを確保して


確実に目的地まで辿り着こうとする。」


なるほど。なるほど。とまた7、8人が立ち止まる。


男は一層満足気にこう続けた。


「一方我々人間はどうだ?


一度心に決めた目的でも


気分一つで簡単に変えてしまう。


『タイミングが…』とか『運が…』とか


それらしい理由を付けて


そして時には誰かのせいにして


自分や他者を納得させ


また次の目的地を誇らしげに掲げる。


掲げることそれ自体が目的になっているんだ!


みんな目を閉じて自問自答してみろ!


『自分の人生という地図に


ただ置かれるだけで終わってしまった


目的地がいくつあっただろう?』と。


ナビは一度掲げた目的地は


辿り着くまで決して諦めることはしないんだ!」と。


そうだー!そうだー!と


気づけば100人近い人々がこの男の公演に酔いしれ


まるでそこは大統領演説が行われているかのような


熱気に包まれていた。


その後聴衆の様々な質問にも


人間とナビを上手に対比し答え


一人一人を完璧に納得させていった。


誰一人この男の正体や詳細は分からなかったが


『未知なる革命家が出てきたんじゃないか?』という


不思議な期待感がこの男の虜になる理由となった。


「では次を最後の質問にしよう!」と


そこにいる全ての人の注目にさらされながら


一人の少女が手を挙げた。


聴衆をかき分けてその男の目の前に立つや否や


「おじさんはどうしてここに来たの?」と尋ねた。


純粋な目で訊くその少女に何も返すことができず


あれだけ狭かった会場は数分で


100人は入りそうな公園へと姿を戻した。


男は力なく


「お嬢ちゃんはどうしてここに来たの?」と聞くと


素敵な笑顔で


「今日はこの公園に遊びに来たの!」と答えた。

 

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