ある小さな村に男の子がいた。
その男の子はたくさんの夢をもっていて
全部叶えたいと思っていた。
そこにある時1人の魔法使いが来て
その男の子に向かってこう言った。
「もしも魔法が1回だけ使えたらどうしたい?」
男の子はとっさに答えた。
『一生かけても使い切れないほどの
お金持ちになりたい!』
魔法使いは深く頷(うなづ)き次にこう尋ねた。
「もしも魔法があと2回使えたら?」
男の子は少し考えてこう答えた。
『鳥みたいに空を飛び回ってみたい!』
『あと有名人になりたい。』
魔法使いはなるほどという顔をして
続けてこんな質問をした。
「もしも魔法がさらに3回使えたら?」
男の子は眉間(みけん)にしわを寄せ
悩んだすえにこう答えた。
『足が速くなりたい・・かも。』
『んー、ライオンになってみるとか?』
『あとはー・・チョコレー、、
いや、おかしをいっぱい食べようかな~。』
魔法使いは1つ1つ丁寧に聞き
またまたこんな質問をした。
「もしも魔法が何回でも使えたら?」
男の子はあれこれと考えたが
しばらくして小さくこう答えた。
『・・・なにも無いかも。』
魔法使いは不思議そうな顔をして聞いた。
「なぜ、たくさん魔法が使えると
キミは困った顔をするのかな?」
この質問にも男の子は
『わからない。』とだけ答えた。
すると魔法使いはニッコリと笑い
「そうか。わたしはいじわるをしに
ここに来たわけではないからね。
実は今、キミに1つ魔法をかけたよ。
『幸せ』になれる魔法を。」
そう言い残して男の子のもとを去った。
やがて男の子は大きくなったが
変わらずにその小さな村で暮らしている。
あれから何年も
かけられた魔法の意味を考えていたが
特別お金持ちになったわけでもなく
鳥のように空をはばたくこともなく
有名人になったわけでもない。
魔法使いが来た時と
生活は何も変わっていない。
ただ一つだけ変わったことがある。
それは彼が魔法使いになったことだ。
最後に彼はこう呟(つぶや)いた。
【じぶんにとって本当に必要なモノって
『何なのだろう?』と
時間をかけてゆっくり考えること。
それが『幸せ』になれる方法であり
わたしたち人間が唯一使える
魔力のない魔法なんだ】と。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さん子どもの頃一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
大人になってもたまに子どもの頃を思い出して、夢を語ったりするのも良いかもしれませんね。
タダでみんなが幸せを感じられる方法ですからね。
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では、また次のブログでお会いしましょう(^^)ノシ